アイドルは消耗品か
V6の解散発表で、目を背けてきた現実が一気に押し寄せてきたような気がする。
スポーツ選手は言葉を選ばず言うなら消耗品だと思う。
どんなに優れた選手でも、年齢には抗えない。
いつか華が終わる時が来る。
そのときに、私たちはなんとも言えない虚無感というか、無力感に襲われる。
それはたとえどれだけ努力しようと抗えない「終わり」。
そして、選手生命に終わりがあることは、プロになった瞬間からの運命で、それを本人もファンもどこかで知ってはいる。
終わりが必ずあることをわかっていて、応援する。
それがどれだけ悲しいことか、考えないフリをすることでなんとか平然を保っている。
アイドルも同じだ。
始まった瞬間から約束されている終わり、期限付きの仕事。
彼らはアイドルになった瞬間、その存在は商品になり、消耗品になる。
V6はきれいな形で終わることにした、と健くんが話していたという記事を見た。
それはある意味で正解で、一つの道だと思う。
言ってしまえば、どれだけ歳を重ねても、その容姿にも一定数のファンはついて来てくれるはずだ。
だけど、綺麗なまま、ピークのまま、ファンの記憶をそれ以上上書き保存させない、というのは、正しいアイドルの終わり方のような気がする。
もちろんそれで納得ができるわけではない。
いつだってファンにとっては今が一番かっこよくて、どんな姿であろうと愛し続ける自信がある。
ほんとに?
10年後、変わらず愛せるかはわからない。
いくつものグループが超えられなかった20周年の壁がある。
だから、それを超えたグループは永遠に続いていくんだとばかり思っていた。
なのに、最近になって急に、それを超えた人たちが次々にいなくなっていってしまった。
どこにも保証なんてない。
誰にもわからない。
そう考えると、私はNEWSが頭に思い浮かんで離れなくなる。
今年のカウコンで、ついにNEWSがデビュー順で一番上のグループになった。
それはつまり、一番この話題が他人事じゃないグループだってことだ。
17周年。近づく20周年。
彼らの引き際はいつなんだろうか。
それは20周年かもしれないし、25周年かもしれないし、ずっと続いていくかもしれない。
それなら、セクゾだって他人事じゃない。
デビューが早い分、歳を重ねていくまでの猶予はあるけれど、逆に言えばまだ若いうちに20周年を迎えることになる。
そもそも、10年後の私は、10年後のSexy Zoneを好きでいられているのだろうか?
私たちは、ただ少しでも長く、私たちの好きな人たちが続いていくことを祈るしかない。
終わって欲しくなんてないけれど、カウコンに呼ばれなくなって、いわゆる大御所扱いでテレビにも稀にしか出なくなって、そうなったときに、そこまでして続けていく意義は何だろうか?
私たちに対する問いでもある。
尾崎豊や山口百恵が今も語られ称賛されるのは、若くて、一番脂の乗った時期に、消えていったからだ。
華があるうちに表舞台を去ることの潔さ、儚さにもまた、憧れてしまうのだろう。
アイドルを選んだ彼らの宿命は、
自らが消耗品になること。
終わりを彼らが一番わかっている。
自分たちの引き際も。
ここまで話した上で、でもやっぱり私は彼らに残っていて欲しい。
NEWSはずっと、終わりを迎えなくたっていい。
そう思ってしまう。
この不安も、アイドルを好きになった自分の運命として。
その終わりの時まで、できるだけ長く、
愛していきたいと思う。